ガーデン

偉大な詩人は誰もがそうですが、芭蕉はとりわけ自然を深く見つめ、その中から人の生き方や世のあり方を捉える上で並はずれの才をもった人だと思います。

草いろいろ おのおの花の手柄かな

この一句にも自然界の科学、そして人間と社会の真実が見事に込められています。芭蕉が300年以上前に伝えようとした私たちへのメッセージ、それを、少しでも身近かに、日々感じることができたら、との思いから、庭づくりをしました。

芭蕉の句に登場する草木たち、集合

梅・桜はもとより、すみれからすすきまで、目立たない野草にも芭蕉のまなざしがそそがれています。この庭づくりにあたって、「芭蕉全句」を読み込んで、そこにあるほとんどの植物をとり入れてみたいと、考えてきました。

季節の移り変わりを、朝夕感じられる庭

春夏秋冬ばかりが季節ではありません。沈丁花の香りにもうすぐ春を感じ、シモクレンが春の訪れを告げ、コデマリ、ユキヤナギそして山吹、あじさいが咲くと晩春、もうすぐ夏となります。100種類ほどの草木を植えたのも、それだけデリケートな季節を表現したいとの思いです。

自然な風景をつくるナチュラルガーデン

庭には、人工的な形で見せるタイプのものもありますが、五感に訴え心身が癒されるのは、できるだけ自然な草原や里山を思わせる植栽だとの考えから、種類や植え方、刈り込みもナチュラルを基本としています。

街角にみせる美しい花と緑の点景

庭は塀で囲まれた中にあるのが普通ですが、街を庭とみたてる発想もあってよいし、それが伊賀のまちを魅力的なものにしていくと期待しています。できるだけ道行く人にも楽しんでいただけるコミュニティガーデンの手法をとっています。

PLANTING PLAN 植栽計画

 

植栽計画図

 
代表的な草花
オミナエシ ツワブキ
ギボウシ ナルコユリ
シダ ニオイスミレ
シモツケ フジバカマ
シロバナ ホトトギス
ススキ ヤブラン
ツボサンゴ ユキノシタ
 

季節の草花

ホトトギス
京にても京なつかしやほとどぎす
オミナエシ
ひよろひよろと尚露けしや女郎花
ウメ
先祝へ梅を心の冬篭り
ウノハナ
梅こひて卯花拝むなみだ哉
カンツバキ
蔦の笠落したる椿かな
ヤマモミジ
尊がる涙や染めて散る紅葉
ノギク
起きあがる菊ほのかなり水のあと
イロハモミジ
蔦の葉は昔めきたる紅葉哉
ヤブツバキ
うぐひすの笠おとしたる椿哉
ホトトギス
京にても京なつかしやほとどぎす
ハギ
京にても京なつかしやほとどぎす
ニオイスミレ
京にても京なつかしやほとどぎす
アジサイiroiro
ガクアジサイ
アジサイ水無月
ノリウツギ
紫陽草や帷子時の薄浅黄
シダレザクラ
咲乱す桃の中より初桜
ボタン
冬牡丹千鳥よ雪の時鳥
ヤマツツジiroiro
ヒカゲツツジ
ゴヨウツツジ
コバノミツバツツジ
ヨドガワツツジ
ヤマツツジ
岩躑躅染むる涙やほととぎ朱